はじめに:プロジェクトの概要と重要性
このたび、ご依頼に基づき、特定研究室に設置されていた大型機械群の解体・搬出作業を2日工程にて実施いたしました。搬出対象の機器は、その用途は全く想像できないものの、非常に大規模かつ重量物であるものが含まれており、高度な技術と徹底した安全管理が求められるプロジェクトでした。通常の遺品整理や生前整理などのご自宅からの搬出作業とは異なる専門性が問われますが、基本的な分別仕分け作業の原則に基づき、計画通りに作業を完了させることができました。
第1日目:綿密な計画に基づく解体と安全対策
1. 作業体制と初期準備
初日の作業は、合計4名作業の体制でスタートしました。人員は、機器の構造を把握し分割する解体部隊2名と、切り離された部材を安全に運搬・集積する搬出、積み込み部隊2名に明確に分かれました。事前に準備した道具類は多岐にわたり、手工具や電動工具はもちろん、太いケーブルや配管を切断するための線切りクリッパー、頑強なボルトに対応するラチェットレンチ、そして機器を持ち上げたり、わずかな隙間を作るためのバール、爪ジャッキ、さらに重量物吊り上げ機械と重量物運搬台車といった専門機材を揃え、万全を期しました。当社のスタッフは大型機械の解体はかなり経験済みであるため、作業開始前のミーティングでリスクを共有し、問題なく工程に入れることを確認しました。
2. 解体と運搬路の確保
初日のメインタスクは、2台の機械とそれに付随する機械群を搬出予定でした。解体部隊は複雑な配線や配管を系統立てて切り離し、機器本体を運搬可能なサイズへと分割していきます。この「分割」作業が、後の安全に搬出するための最も重要な工程となります。
運搬作業が開始されると、特に注意が必要となるのが通路のちょっとした段差や、エレベーターの溝でした。これらの箇所で台車のキャスターが取られてしまうと、思わぬ事故になりかねません。このリスクを解消するため、私たちは薄い鉄板を敷いて溝、段差を解消するという予防措置を講じました。そうする事で台車を安全スムーズに走らせる事ができ、作業の効率と安全性が飛躍的に向上しました。
3. 早めの昼タイムと翌日の段取り
作業は順調に進み、昼前には本日工程の目処が付いてきて、予定より早めの昼タイムを取りました。午後は再び解体と運び出しの繰り返しです。この日は作業をある程度本日分作業が片付いた段階で切り上げ、翌日のスムーズな進行のために明日の段取りも進めていきます。初日の段取りを徹底的に行った結果、2日目の作業効率を最大限に高めることができました。
第2日目:特殊作業と最終積み込み、完了確認
1. トントン拍子に進む作業と場所の確保
初日の段取りを付けたので2日目はトントン拍子に作業が進みました。まず、前日に解体しきれなかったり、配置場所の関係で搬出が後回しになっていた部材を運び出し、研究室内の場所を確保しました。この解放されたスペースが、次の特殊作業に不可欠でした。
2. 油入りトランスの安全処理
2日目の特筆すべき作業は、油の入っているトランスの処理でした。このトランスをまず別部屋に運び、重量物に対応するエンジンクレーンと呼ばれる重量物を吊り上げる機械を使用して、トランス内部の芯を吊り上げて引き上げました。その後、トランスの底部に溜まっている油をペール缶に移します。環境負荷を考慮し、油の漏洩には細心の注意を払いました。最終的にペール缶9個分の油を回収しました。
3. 効率的な積み込みと最終清掃
トラックへの積み込み作業においても、安全と効率を両立させました。超重量物は小型移動式クレーンで積み込み、人力で対応可能な比較的軽い物はパワーゲート付き箱トラックへ区分して載せました。全ての機器が運び出された後、最終的に残った産業廃棄物は、契約している産廃屋さんの廃棄物用の箱へ種類別に仕分けました。
最後に、作業エリアを綺麗に掃除をして、ホコリや油の痕跡が残らないよう徹底しました。清掃完了後、担当者様に確認していただき完了になります。
総括:妥協を許さないプロフェッショナルな作業
今回の研究室からの大型機械搬出作業を振り返ると、「安全に搬出するには中途半端な作業は行わず確実に搬出出来る状態まで解体していきます」という当社のポリシーが明確に現れました。油の処理一つをとっても、周囲への影響を最小限に抑えるため細部まで配慮しました。この妥協を許さない作業の積み重ねによって、お客様からは「安心してお任せいただけた」という高い評価をいただくことができました。基本となる分別仕分け作業の確実さと、専門的な機材の適切な使用、そして何よりも作業員の連携と安全意識の高さが、今回のプロジェクト成功の鍵となりました。
